世界中の光ファイバケーブル需要に応える

高まる需要に応えるため、世界各地に拠点を設立

電磁誘導ノイズの影響を受けずに、長距離でも高速に信号を伝送できることから、デジタル通信など多くの通信用途で使用されている光ファイバケーブル。近年では、通信トラフィック量の増大とともに、世界中で光ファイバケーブルの需要が高まっている。特に今後は中東・アフリカ、インドや東南アジア、南アメリカなどの新興国に加えて、アメリカやヨーロッパなどの先進国でも需要が拡大する見込みだ。古河電気工業では、こうした需要拡大に対応するためにグローバル展開を強化。世界各地に拠点を設立するだけではなく、既存工場の生産力を増強し、顧客からのニーズに対してより迅速に応えられるように努めている。

2014年8月には、コロンビア共和国バジェ・デル・カウカ県パルミラ市に、光ファイバケーブルの製造工場を設立。コロンビアは、急速に経済規模を拡大している国で、政府が主導する通信インフラ市場の整備計画により、今後も安定した需要が予想されている。また、工場を設立したパルミラ市は大西洋と太平洋に面した、コロンビアでも有数の物流網上の要衝だ。この場所から良質の光ファイバケーブルを届けることで、アンデス地方・中央アメリカでの事業活動を強化している。

また、現在、古河電気工業は、北アフリカのモロッコ王国にも、光ファイバケーブルの製造工場の設立準備を急ピッチで進めている。アフリカは高速通信網の整備がこれから急速に進むとみられており、将来はモロッコの新工場から欧州への輸出拠点としても活用していく方針だ。

アジアでの生産能力を増強

また、2015年5月にはインド共和国ゴア州の工場において、生産ラインを増設して生産能力を倍増させた。インドでは、通信インフラの整備が急速に進んでいて、光ファイバの需要が2018年まで年率10%超で成長すると見込まれている。こうした成長著しいインドの市場へ製品を供給する能力を向上させることで、地域でのプレゼンスを高めていく。