FITELnet FHシリーズ
エンタープライズ向け高機能エッジルータ
FITELnet FH10

近年、企業DXや公共インフラの高度化が進むなかで、高速かつ安定したネットワーク運用の重要性が高まっています。特に、交通・エネルギーなどの公共インフラ分野では、ネットワークの長期安定稼働と高可用性に加え、通信キャリアネットワークで利用される高機能なトランスポート技術への対応も求められています。一方で、これらの技術に対応した製品は高価格帯となるケースが多いことから、当社はエンタープライズ領域でも導入しやすい、高度なネットワーク機能と高い信頼性を兼ね備えたFITELnet FH10を開発しました。

特長

FITELnet FH10は、企業ネットワークから公共インフラまで、幅広い用途に対応します。高い信頼性と高速通信性能に加え、高機能なトランスポート技術にも対応しており、広域ネットワークや大容量通信を必要とする環境において、安定したネットワーク運用を実現します。一般版と高機能版をラインアップしており、利用する機能やスループットに応じて選択することができます。

高速・セキュア通信と低消費電力を両立

通信性能は、平文通信で52Gbps、IPsec暗号化通信では、一般版で30Gbps、高機能版で52Gbpsに対応しています。高度な暗号処理やIPsec冗長化機能(IPsec HA)にも対応しており、大容量トラフィックが発生するネットワーク環境でもセキュアで安定した拠点間通信を実現します。従来機種比で中継性能あたりの消費電力を最大約6分の1に削減し、省電力化と高性能を両立しています。

通信キャリアネットワーク同等の高度なネットワーク技術

BGP(注1)やOSPF(注2)などのルーティングプロトコルに加え、MPLS(注3)、EVPN(注4)、VxLAN(注5)、SRv6(注6)などのトランスポート技術に対応しています。また、NATやQoS、マルチキャストなど企業ネットワークに求められるレイヤ機能も搭載しており、広域ネットワークやデータセンタを含む複雑なネットワーク構成において、柔軟かつ効率的な通信が可能です。

(注1)BGP Border Gateway Protocol):組織外のインターネット上の巨大なネットワーク同士を繋ぐ外部ゲートウェイプロトコル

(注2)OSPF(Open Shortest Path First):組織内・企業内のネットワークを繋ぐ内部ゲートウェイプロトコル

(注3)MPLS(Multi-Protocol Label Switching):パケットにラベルを付与し、そのラベルだけを見て高速に転送を行うルーティング技術で、仮想的な専用線(VPN)を構築する基盤

(注4)EVPN(Ethernet VPN):BGPプロトコルを使い、ネットワークの端(エッジ)と端の間でレイヤ2(MACアドレス)やレイヤ3(IPアドレス)の到達情報をやり取りするコントロールプレーン

(注5)VxLAN(Virtual Extensible LAN):主にデータセンタ内で使われるネットワーク仮想化技術

(注6)SRv6(Segment Routing over IPv6):従来のMPLSの複雑さを解決するために開発された次世代のルーティング技術

広域インフラ用途に対応したハードウェア設計

AC電源とDC電源のデュアル給電に対応した冗長化設計を採用しており、交通・エネルギーなどのミッションクリティカルな環境においても安定した運用を実現します。さらに、最大80kmの長距離光伝送SFPモジュールにも対応予定であり、広域なインフラ用途にも適しています。

国内生産と長期保守による安心の運用基盤

FITELnet FH10は設計から組み立て、検品に至るまでの工程を日本国内で行っており、最長10年間の長期保守サービスに対応しています。今後はソフトウェアアップデートによるマルチキャスト機能の強化や、統合管理サービス「Fらくねっと」との連携による機能拡充も予定しています。



仕様詳細

項目 FITELnet FH10
インタフェース 中継インタフェース 1G/10G Multi rate(SFP/SFP+)×4ポート
 (10GBASE-SR/LR/ER/BR、1000BASE-SX/LX)、エンハンス(10GBASE-T、10/100/1000BASE-T)
10/100/1000BASE-T×12ポート
管理インタフェース 10/100/1000BASE-T×1ポート
インタフェース(USB) 外部メモリ用 TYPE-A×1
モバイル端末用 エンハンス(TYPE-C×1)
サポートプロトコル IPv4/IPv6
ルーティングプロトコル スタティック、RIPv2、BGP4、OSPFv2、BGP4+、OSPFv3、TI-LFA、エンハンス(IS-IS)
IPv4 論理インタフェース 6,096
ルーティングテーブル 2,000,000
IPv6 論理インタフェース 6,096
ルーティングテーブル 300,000
ARPテーブル数 65,536
BGP ピア数 4,000 (注7)
Route Reflector
PPPoE エンハンス(50セッション、再接続機能、PPPoEパススルー機能)
loopbackインタフェース 10,000
マルチキャスト エンハンス(IGMPv1、IGMPv2、IGMPv3、PIM-SSM)
DHCPv4 サーバー/クライアント/リレーエージェント
DHCPv6 サーバー/クライアント/リレーエージェント
冗長機能 装置冗長 VRRP、IPsec HA、エンハンス(L2冗長、L2TPv3 HA)
回線冗長 Link Aggregation(IEEE802.1AX)
監視プロトコル BFD、IPv4/IPv6 Survey(注8)
ファイアウォール パケットフィルタリング
学習フィルタリング
アドレス変換(NAT) NAT、NAPT(NAT+)、NATスタティック、NAPT(NAT+)スタティック、VRF Aware NAT
NATテーブル数 1,000,000
MACフィルタ L2中継時のunknown/mcast/bcastフレームのフィルタ可能
ポリシールーティング
QoS クラス識別(IPフレーム) アドレス、プロトコル、ポート番号、Precedence/ToS/DSCP/TC、フローラベル、TCPフラグ、フラグメント、802.1pプライオリティ、ICMPタイプ・コード
クラス識別(Etherフレーム) Stagプライオリティ、Ctagプライオリティ、Unknownユニキャスト、L2 Multicast、L2 Broadcast
アクション Precedence/DSCP/TC指定、送信キュー指定、廃棄優先度指定、ポリシング指定
キューイング/帯域制御/優先制御 CBQ/PRIQ/WFQ
クラシファイア 128,000
キュー ソフトQos 65,536、ハードQoS 10(ポート当たり)
シェーパ ソフトQos 8,192、ハードQoS 10(ポート当たり)
ポリサ 32,000
スケジューラ階層 4
その他 フレーム長補正
VLAN数 ポートVLAN 16,384(ポートVLANとタグVLANの合算)
タグVLAN 16,384(ポートVLANとタグVLANの合算)
QinQ IEEE802.1Q、IEEE802.1ad
ProxyDNS
NTPサーバ ○(IPv4/IPv6)
NTPクライアント ○(IPv4/IPv6)
VRF数 4,000
VPN(MPLS):高機能版のみ サポートプロトコル エンハンス(LDP、MP-BGP、RSVP-TE、VPLS)
ラベルパス ILM 200,000、FTN 400,000、L3-VPN / L2-VPN
VPN(Segment Routing):高機能版のみ SRv6、エンハンス(SR-MPLS)
VPN(IPsec) プロトコル IPv4/IPv6 over IPv4/IPv6
カプセル化方式 ESPトンネルモード
暗号化方式 DES、3DES、AES(128,192,256)、エンハンス(NULL)
ハッシュ方式 MD5、SHA-1、SHA-2
DH グループ1,2,5,14,15
鍵交換 IKEv1、IKEv2
PKI RSA Signature(X.509V3)、CRL、エンハンス(ECDSA Signature)
IPsec-HA
PFS
NAT Traversal ○(IKEv1 draft-ietf-ipsec-Ike-00.txt,draft-ietf-ipsec-nat-t-ike-03.txt,RFC3947)
MPSA機能 エンハンス(コントローラ機能 、クライアント機能)
IPsec-PE機能
対地登録(peer)数 5,000 (注9)
トンネル(selector)数 5,000
ESN
トンネリング機能 MAP-E BR、6RD BR エンハンス(2,000)
IPinIP 2,000
DS-Lite
LW4o6
GRE 2,000
EtherIP 20,000(MAC学習機能あり)(注10)
L2TPv3 20,000(MAC学習機能あり)(注10)
L2TPv2 over IPsec
L2 MAC学習数 1,000,000(注11)
Bridge 6,096
L2トンネル L2TPv3、EtherIP、L2TPv2
高機能版のみ:VPLS(LDP方式)、EVPN-SRv6、エンハンス(VXLAN、EVPN-MPLS、EVPN-VXLAN)
LBO
sFlow エンハンス
クラスタ機能 エンハンス
保守運用機能 SNMP(v1/v2)、SYSLOG、ping、telnet、traceroute、SSHv1、SSHv2、SCP、SFTP、FTP、NTP、RADIUS、TACACS+、ハードウエア自律監視機能、イベントアクション機能
エンハンス(ポートモニタリング機能、NETCONF、Fらくねっと)
ログ syslog、eventlog、command-log、event-action log、 装置内メモリ保存(RESET時は保持、電源OFF時は消去)、外部メモリ保存(USBメモリ)、SYSLOG送信
ファームウェア/コンフィグ ファームウェア2面/コンフィグは ASCIIファイル形式で、内蔵eMMC、ftpサーバなどに保存
付加機能鍵
コンソールポート 1ポート(RJ-45)
電源 電圧 DC -40.5 〜 -57V(入力部:専用コネクタ)
AC90〜264V(入力部: ACインレット)(注12)
消費電力(最大) AC:88W(二重化時)、DC:115W(二重化時)
冗長 二重化対応
環境条件(動作時) 温度 0〜50℃
湿度 15〜85%(結露なきこと)
放熱 FAN(背面排気)
EMI VCCI(ClassA)、VCCI-CISPR 32-2016(ClassA)
外形寸法 430mm(W)×480mm(D)×43.5mm(H)
1RU
質量 10kg以下

(注7)条件により異なります。詳細はお問い合わせください。

(注8) icmp によるネットワーク上の端末、ルータ等を監視する機能です。スティックルート及びBGPと連携して監視ノード故障時に経路の高速切替えが可能です。

(注9)MPSA使用の際、1MPSA内の最大対地数は4000となります。

(注10)IPsecと併用する際、最大対地数は12,000となります。

(注11)L2冗長仕様の際、最大学習数は300,000となります。

(注12)本体同梱の電源ケーブルは定格AC100V 〜 125V です。AC200V でご利用を希望されるお客様は、弊社にお問い合わせください。

外観

FH10

AC電源筐体 前面

AC電源筐体 背面

FH10

DC電源筐体 正面

DC電源筐体 背面