人々の生活に欠かせない電力。古河電工はこれまで大都市圏への電力供給を担う超高圧地中送電ケーブルにおいて、電力ケーブルや接続部品の設計・製造・施工を通じて確かな実績を誇ってきた。近年では日本政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現を見据え、洋上風力発電の主力電源化をかなえる海底送電システムや海底ケーブルの開発を進めている。
POWER CABLE
古河電工が取り扱う電力ケーブルは大きく分けて2種類ある。一つは高度成長期から現在に至るまで日本中の地中に布設されてきた超高圧地中送電ケーブル。もう一つは、再生可能エネルギーとして注目される洋上風力発電で生み出された電力を、陸上へと送るために使用される海底送電システム。いずれも、人々の暮らしを支える社会インフラの発展に大きく貢献している。
私は超高圧地中送電ケーブル・洋上風力向け海底電力ケーブルなど本体の設計から材料の選定、できあがったケーブルの試験までを担当しています。もちろん一人ですべてを担うのではなく、いろいろな部署の人たちと意見交換し、業務を進めています。私はキャリア採用で入社してまだ8か月なのですが、古河電工は他部署やベテランの方にも率直に意見を言える、いい風土が根付いている印象です。以前勤めていたスタートアップ企業と比較して、福利厚生や社内ルールが充実していて、業務に専念できるところもありがたいですね。
日本は世界有数の広さを持つEEZ(排他的経済水域)を持つ国。そのポテンシャルを発揮するためにも、洋上風力発電向け海底送電システムにおいて使われる海底ケーブルは欠かせないものです。しかし、海水による腐食や波の影響に対し、非常に高い信頼性と耐久性が求められる分、設計も非常に難しいという課題もあります。その難しさを克服し、未来の社会の一端を担う。そんな仕事に、責任感とやりがいを持って取り組んでいます。以前、古河電工が作ったケーブルのルートが描かれた地図を見たときに、日本列島の血管のようだなと思ったことがありました。まさに電力ケーブルは日々の生活や産業の営みにおいて、目に見えないところで電気をつないでいく血管のようなもの。そんな意識で、電力ケーブルの一本一本を、設計しています。
私は生産技術課で、海底ケーブルの導体工程、鎧装(がいそう)工程、船積を担当しています。導体とは、ケーブルの電流を流す通り道で、ケーブルの心臓部。鎧装とは、いかりなどとの接触により中のケーブルが傷まないよう保護するため、周りに鉄線などを施したものです。それらの製造条件の策定から、船積の方法の検討、布設後のサポート対応までを行っています。製造条件を決める際には、過去の実績などをもとに設計書を作るのですが、設計書通りの条件が最適とは限らず、製造過程で条件を調整することが重要になります。特に入社1年目に海外規格の導体を任せてもらえたときには、トライアンドエラーの繰り返しでした。しかし、先輩や上司の方々に相談しやすい環境だったため、一人で抱え込むということはなく、無事に自分の役割を成し遂げられました。
古河電工は、500kVの超高圧電力ケーブルを作る技術を持っています。また、地中ケーブルと海底ケーブルの両方を取り扱っており、構造がまったく違う両者をつなげる工事まで一貫して担える点も強みです。ケーブル自体はあまり人目につかないところに布設されますが、陰ながら人々が安心できる暮らしに貢献していると自負しています。私の使命は長期的かつ安定的な電気を流し続けられる、高品質なケーブルを作ること。先人たちのノウハウを学びながら、私もまだ見ぬ後輩たちに技術を受け継いでいけるよう、これからも研鑽を重ねていきたいです。
私の担当は、営業としてお客様からのご要望に対応する窓口です。特に洋上風力発電において、プロジェクトの納期の調整、契約条件の協議、契約金額の変更交渉、製品や施工の布設後のサポート対応などを行っています。お客様から求められるのは、高い技術力を誇るケーブル製造メーカーの窓口としての的確な意見と、柔軟かつ誠実な対応です。入社2年目の私では難しい業務の連続で、交渉が難航することも多々ありますが、そもそも洋上風力発電向け海底送電システム自体が、古河電工のなかでも新しい領域の取り組み。私のような新人でも他の社員とスタートラインはほぼ同じであると考え、ご要望に対して真摯に対応することを心がけています。そのような中でうれしさを感じるのは、関係部署やお客様と信頼関係を構築し、交渉が成立したとき。皆さんの橋渡し役となり、お客様と社内の双方が満足いく結果を出すことが、営業としてのやりがいです。
洋上風力発電のプロジェクトは、電力会社以外にも、建設に関するゼネコンや海運会社など、他の産業や事業領域にまで影響力があると思っています。その大きなプロジェクトの中で、皆さんの橋渡し役となるのが営業の使命です。また、発電所が完成して電力が供給されれば、その地域の人々の生活を明るく照らすことができます。カーボンニュートラル実現のために洋上風力発電を含む再生可能エネルギーの主力電源化は、今後加速していきます。しかし、カーボンニュートラルのために人々が電気の使用を抑え、不自由な生活を強いられることはあってはいけません。私たちが目指すのは、洋上風力発電の力で、人々の便利で幸せな暮らしに貢献すること。そのためにも、ケーブルメーカーとして送電システムの構築に貢献し電気を運ぶことで、持続可能な社会にエネルギーを供給していきます。
浮体式の洋上風力プロジェクトにおける海底ケーブルの工事設計・施工管理を担当しています。日本は広大なEEZを有していますが、数百メートル~数千メートルに到達する水深の深い海域が多いことが特徴。その海域特性から、着床式だけではなく、浮体式洋上風力発電の導入が不可欠です。しかし、浮体式洋上風力発電は、世界的にも前例があまりない方式。実現のために最適な資機材や技術、施工方法を確立すべく、日々さまざまな実験を通して開発・解析を繰り返しています。例えば、浮体は波によって動くので、ケーブルもそれに追従する形に施工しなくてはいけません。水深によっても条件は変わります。海域やケーブルの情報を解析ソフトにインプットし、検討中の施工方法が適切かどうかを判断しています。
誰も成し遂げたことのないことに挑戦するのは、難しさもありますが、ワクワクもあります。前例がないため、参考にできるものを探し、学んでいく姿勢が大事です。他の業界・分野にも目を向けて、実績や発展への道筋を調べ、それをケーブルに落とし込んでいくことにやりがいを感じます。実際、普段の業務でも発電事業者、風車メーカー、浮体メーカーなどさまざまな分野の方と協議をしていくため、広い知識や視野が必要だと感じます。日本の海域の環境は非常に過酷ですが、これを解決できる技術を作り上げられたら、きっと海外でも対応できるはずです。カーボンニュートラルの実現に向け、洋上風力が日本の主要な電源となるために、私がパイオニアとして道を拓いていきたいです。
資源エネルギー庁は、2040年までに再生可能エネルギーの発電割合を4割から5割へ高める目標を示している。電力消費量が多いデータセンタや生成AIの隆盛により、より大規模で安定した電力が求められる時代。これまでにない発想と技術で電力インフラを支え、持続可能な社会を実現する。そんな未来を目指して、古河電工はこれからも「All to brighten the world」を体現していく。
※取材内容は2025年12月時点