電子機器の小型化・高性能化を支えるプリント基板には、用途に応じた多様な種類があります。プリント基板は、「リジット基板」「リジットフレキシブル基板」「フレキシブル基板」の3つに大別されます。本稿では各基板の特長に加え、電子機器の高度化を支える電子材料について解説します。

リジッド基板の概要

ここでは、電子機器の中核を担うリジッド基板の構造と特長、主な用途について解説します。

リジッド基板とは

リジッド基板は、電子機器の中核を担う重要な部品の一つであり、ガラス繊維に樹脂を含浸させたガラスエポキシ樹脂と、高い導電性を持つ銅箔を何層にも重ねて構成される硬質な基板です。その構造により、高い剛性と形状安定性を実現しており、外部からの力や温度変化など様々な要因に対して優れた耐久性と信頼性を発揮します。特に、温度変化による膨張や収縮が小さいので、電子部品の高密度実装や精密な回路設計に適している点が大きな特長です。

リジッド基板の主な用途

リジッド基板は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器をはじめ、産業用ロボットや自動車などのモビリティ機器、さらにはデータセンタ向けのサーバ装置や通信機器など、幅広い分野の電子製品に採用されています。また、多層化や微細配線技術の進化によって、より高機能な電子機器への対応が可能となっており、近年ではIoTやAIなど新しい用途にも活用が広がっています。さらに、リジッド基板はその製造工程や品質管理の長年の知見が蓄積されており、大量生産に適していることもメリットの一つです。

これらの特性から、リジッド基板は電子機器の小型化・高性能化を支える部品として、今後も多様な製品分野で重要な役割を果たし続けると考えられます。

リジッドフレキシブル基板の概要

ここでは、リジッドフレキシブル基板の構造的特長と、実装・配線面での利点について解説します。

リジッドフレキシブル基板とは

リジッドフレキシブル基板は、剛性の高いリジッド基板と、柔軟性を持つフレキシブル基板を一体化した複合構造のプリント基板です。リジッド部はガラスエポキシ樹脂など硬質な材料で構成され、高い形状安定性と耐久性を備えています。一方、フレキ部はポリイミドなどの樹脂フィルムを用いることで曲げやすく、狭いスペースや可動部分への配線が可能です。

リジッドフレキシブル基板の主な用途

リジッド基板とフレキシブル基板を一体化することで、従来のように基板同士をコネクタやケーブルで接続する必要がなくなり、基板間の配線を一体化させた複雑な三次元配線が実現できます。これにより、設計の自由度が高く、エンジニアの創造力を活かした製品開発が可能になります。また、コネクタやケーブルといった接続箇所が減ることで接触不良や断線等のリスクが低減し、信頼性の向上にも寄与します。リジッドフレキシブル基板は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器をはじめ、産業用ロボットや自動車などのモビリティ機器に求められる高性能化や省スペース化の要求に応え、重要な役割を担い続ける技術です。

フレキシブル基板の概要

ここでは、薄くて曲げられる特長を持つフレキシブル基板の構造と、主な用途について解説します。

フレキシブル基板とは

フレキシブル基板は、電子機器に欠かせない重要なプリント基板の一種であり、特にその最大の特長は薄くて柔らかい材料を用いて自由に曲げられる点にあります。主な構成材料としては、高耐熱性・高強度を持つポリイミドや液晶ポリマーなどの樹脂フィルムが挙げられ、これらのフィルムの上に銅箔を貼り合わせて回路を形成します。フレキシブル基板は、複雑な形状や狭いスペースへの配線が容易であり、折り曲げや繰り返し動作が求められるスマートフォンやタブレット、ウェアラブルデバイスなどのモバイル機器にも広く利用されています。また、産業用ロボットや自動車など高度な性能や省スペース化が要求される分野でも活躍しており、近年は材料や加工技術の進化により耐久性や信頼性がさらに高まっています。このように、フレキシブル基板は自由度の高い設計を可能にし、電子機器の発展を支える不可欠な部品となっています。

フレキシブル基板の主な用途

フレキシブル基板は可とう性が高いため、従来のリジッド基板では対応が難しかった狭小スペースや複雑な形状の配線、さらには可動部への接続が容易にできるという利点があります。例えば、折り曲げや繰り返し動作が求められるスマートフォンやタブレット、ウェアラブルデバイスなどのモバイル機器はもちろん、産業用ロボット、自動車などの高性能化・省スペース化が進む分野でも活用されています。

近年では、フレキシブル基板の材料や加工技術の進化により、耐久性や信頼性が一層向上し、折り曲げや繰り返しの動作に対する耐性も強化されています。そのため、新しい用途にも活躍の場が広がっています。今後も、フレキシブル基板は電子機器の進化とともに、より高機能・高信頼性・省スペース化への要求に応えながら、様々な産業で不可欠な技術としてその役割を果たしていくと考えられます。

項目 リジッド基板 フレキシブル基板 リジッドフレキシブル基板
主な基材 ガラスエポキシ、紙フェノール ポリイミド、液晶ポリマー ガラスエポキシ+ポリイミドなど
屈曲性 なし あり 一部あり
部品実装 可能 可能(補強板等の工夫が必要) 可能(リジッド部)
主な用途 サーバ、スイッチ、自動車、スマートフォン、PC、産業ロボット、航空宇宙、医療機器 スマートフォン、ウェアラブル機器、省スペースが要求される装置 航空宇宙、医療機器、高機能モバイル機器

古河電気工業が開発する発泡樹脂「SCB®」

ここでは、古河電工が持つ微細発泡技術の特長と、材料性能およびお客様価値への貢献について解説します。

古河電工の微細発泡材料

古河電工が開発した微細発泡材料は、樹脂内部に極めて微細な気泡を均一に分散させる独自技術により、従来の材料と比べて高い性能と加工性を両立しています。この技術は、樹脂の内部構造に着目し、発泡プロセスを細かく制御することで、材料中の気泡サイズや分布を最適化しています。これにより、誘電率(Dk)や誘電損失(Df)を大幅に低減することができ、特に高速・高周波伝送が求められる電子機器の基板材料として優れた特性を発揮します。

古河電工の微細発泡材料の材料性能

従来のプリント基板材料は、誘電率や誘電損失の高さが通信速度や信号品質の低下につながる課題がありましたが、古河電工の微細発泡材料は、伝送信号の減衰やノイズの発生を抑えることが可能となっています。このため、6Gなど次世代の技術に求められる高度な技術的要求や、高性能機器の実装において、ますます重要性が高まっています。また、微細発泡技術は材料の軽量化にも大きく貢献しています。樹脂内部の気泡によって密度が低くなるため、機器全体の重量を削減することができ、携帯端末やウェアラブルデバイス、ドローンなど、軽量化が求められるアプリケーションにも幅広く対応可能です。軽量化によって設計の自由度が高まり、より薄型・小型の電子機器の開発が促進されるだけでなく、消費電力の低減や携帯性の向上といった付加価値も実現しています。

古河電工の微細発泡材料が提供するお客様価値

さらに、古河電工の微細発泡材料は、エンジニアリングプラスチックを微細発泡化する独自のプロセスによって、材料そのものの強度や耐熱性を維持しつつ、加工時の取り扱いやすさも向上させています。これにより、複雑な形状や狭小スペースへの実装が求められる場合でも、高い精度での加工が可能となり、製造現場での歩留まり向上やコスト削減にも寄与しています。古河電工が提供する微細発泡材料は、単なる材料の性能向上にとどまらず、お客様の製品設計や開発プロセス全体の革新を支える存在です。高機能化、省スペース化、軽量化という多様なニーズに応え、電子機器の進化とともに、今後も幅広い産業分野で不可欠な技術としてその役割を果たしていくことが期待されています。

このような古河電工の技術力と製品は、電子機器の信頼性や耐久性、設計自由度の向上に大きく貢献し、お客様の成功を力強くサポートしています。今後も材料性能の更なる向上と新たな価値の創出を目指し、古河電工は微細発泡技術の開発を続けていきます。

機能樹脂製品「SCB ®」の製造販売は
古河電気工業へお任せください

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