ラマン増幅用励起光源の開発で光通信の高度化に貢献 
第41回櫻井健二郎氏記念賞を受賞

2026年2月26日

古河電気工業株式会社(以下、当社)は、世界最高クラス出力・最小電力駆動超広帯域ラマン増幅器用励起光源の開発と実用化が評価され、一般財団法人光産業技術振興協会より「第41回櫻井健二郎氏記念賞」を受賞しました。
近年、生成AI技術の急速な進展により、光通信ネットワークには大容量化・高速化・長距離化が求められています。特に生成AIの普及によるデータトラフィックの爆発的な増加により、データセンタ間を結ぶ基幹ネットワークにおける安定した長距離伝送を支えるため、高出力・低電力・高信頼性を備えた励起光源を用いた光増幅技術の重要性が一層高まっています。光増幅技術としてはEDFA(Erbium-Doped Fiber Amplifier、エルビウム添加光ファイバ増幅器)が世界的に普及していますが、ファイバラマン増幅器は励起光の波長を選択することで任意の信号波長帯を増幅できる特長を有し、日本は長年にわたりラマン増幅技術において世界をけん引しています。しかしラマン利得係数は比較的小さいため、実用化には高出力・低消費電力で高信頼性を備えた励起光源が不可欠とされてきました。
当社はこの課題を解決するため、GaInAsP/InP多層構造を用いた非対称導波構造を導入し、信頼性の高いInP系光半導体レーザの製造技術をもって、S帯からC帯、U帯にわたる超広帯域でのラマン増幅を可能とする励起レーザを世界に先駆けて実用化しました。世界最高クラスの出力と低消費電力駆動を両立した本光源は国内外の通信インフラに広く採用され、C+L帯デジタルコヒーレント通信システム向けファイバラマン増幅器として世界市場でのシェアは30%を超えています。この度の受賞においては、これら一連の取り組みが評価されました。
当社は今後も、光通信インフラのさらなる高度化に寄与する技術開発に取り組んでまいります。

受賞者
古河電気工業株式会社 情報通信ソリューション統括部門 次世代フォトニクス事業創造プロジェクトチーム 主幹 吉田 順自
古河電気工業株式会社 情報通信ソリューション統括部門 先進融合デバイス技術部 主査 若葉 昌布
古河ファイテルオプティカルデバイス株式会社 技術統括部 設計開発部 事幹 北條 直也
Furukawa FITEL Thailand, Active Department, Assistant General Manager 伊藤 宏和

受賞者(左から若葉、吉田、北條、伊藤(授賞式欠席))

櫻井健二郎氏記念賞

光産業技術振興協会の理事であった故・櫻井健二郎氏の光産業振興への功績を記念し、光産業および光技術の発展に顕著な貢献をした個人または団体を表彰する目的で1985年に創設された賞。