古河電工とトカマクエナジー 英国における高温超電導(HTS)線材に関する協業を推進
2026年6月15日
古河電気工業株式会社
トカマクエナジー社
古河電気工業株式会社(以下、古河電工)とトカマクエナジー社(以下、トカマクエナジー)は本日、フュージョンエネルギーおよびその他の先端産業用途における将来需要に対応するため、英国における高温超電導(HTS)線材能力の向上可能性を探る協業を一層強化する新たなステップに進んだことを発表しました。
本取り組みは、古河電工とトカマクエナジーの長年にわたる関係に基づくものであり、フュージョンエネルギー、電力伝送、医療機器などの分野においてHTS技術が果たし得る役割に関する継続的な議論を踏まえています。
1884年に創業した古河電工グループは、通信や電力などのインフラ、自動車システム、エレクトロニクス分野において幅広い技術・製品・サービスを提供しています。同社は長年にわたり超電導技術の革新に貢献しており、1960年代以降、ITERをはじめとする核融合実験炉向けの低温超電導(LTS)線材を開発してきました。また、米国子会社SuperPower Inc.を通じて、エネルギー、医療、研究分野におけるHTS線材の開発および実用化も進めています。
2009年に英国原子力公社からのスピンアウトとして設立されたトカマクエナジーは、HTSおよび核融合技術の分野におけるグローバルリーダーであり、設計から製造までを包含するHTSシステムの開発に一貫した能力を有しています。オックスフォードに本社を置き、米国および日本に拠点を持つ同社は、政府および産業界と連携し、イノベーションと戦略的パートナーシップを通じてHTSおよびフュージョンソリューションの市場展開を推進しています。また、TE Magnetics部門を通じてHTS応用の商業機会を創出するとともに、高度なフュージョンシステムの開発にも貢献しています。
トカマクエナジーは、英国のフュージョンエコシステムにおいても重要な役割を担っています。2026年4月には、2029年までの7,000万ポンド規模の契約のもと、英国政府のSTEPフュージョンプログラムにおけるMagnet Systems Partnerに選定されました。同社は本プロジェクトを通じて、STEPプロトタイプ発電所向けのHTS磁石システムについてUK Fusion Energy(UKFE)と連携するとともに、トカマクシステムおよびプラズマ統合にも貢献しています。STEPは、政府と産業界が連携しフュージョンエネルギーの開発と実用化を加速させる英国主導のプログラムであり、2040年までにプロトタイプフュージョン発電所の建設を目指しています。この過程において、約30,000kmのHTSテープの使用が見込まれています。
本協業の一環として、古河電工とトカマクエナジーは線材の研究開発、試作、フィージビリティ評価に重点を置いた初期プログラムを進めており、製造プロセスの評価および英国における将来的な種々の選択肢を含めて検討しています。これらの検討結果を通じて、本取り組みは将来的な英国におけるHTS線材の製造能力の基盤構築への寄与を視野に入れています。
古河電工およびトカマクエナジーは、英国政府および英国フュージョンエネルギー(UKFE)より支援レターを受領しています。英国政府は、英国におけるHTS線材の能力開発に向けた両社の構想に支持を示し、その進展に応じて引き続き連携していく意向を表明しています。また、STEPプログラムを主導するUKFEも、英国におけるHTS線材能力の開発およびその将来のフュージョン開発における重要性に対する支持を示しています。
なお、古河電工は2023年12月にトカマクエナジーとの間で出資契約を締結しており、安全で安定したゼロカーボンのフュージョンエネルギーの実現に向けた長期的な戦略的パートナーシップを構築しています。本取り組みは、フュージョンエコシステムの将来的な成長および幅広い産業用途を支えるHTS技術の可能性を引き出すという、両社の共通の志向を反映するものです。
古河電気工業株式会社 代表取締役社長、CEO 森平 英也のコメント:
「当社は長年にわたり超電導技術の研究開発に取り組み、幅広い分野に応用してきました。トカマクエナジーとの今回の協業の可能性に期待を寄せており、今後、英国におけるHTS能力、さらには将来的なHTS線材の製造能力の開発の可能性について検討を進めていきたいと考えています。」
トカマクエナジー社 CEO ワーリック・マシューズのコメント:
「トカマクエナジーは近年、古河電工と強固な関係を築いてきました。同社が持つ超電導技術および製造に関する専門性を高く評価しています。両社は、英国におけるHTS線材能力がフュージョンエネルギーの商業化を支え、さらに他の多様な産業分野における性能向上を実現するとともに、将来的なHTSシステムの製造能力の強化につながる可能性を検討しています。」
科学・イノベーション・研究・原子力担当大臣 ヴァランス卿のコメント:
「英国はフュージョン産業において世界をリードしており、古河電工とトカマクエナジーとのこの提携は、フュージョンエネルギーの進展を推進する上で極めて重要な能力を開発するものです。これは英国のフュージョン戦略に裏打ちされたものであり、将来のエネルギー自給の確保、イノベーションと研究の推進、そして英国国民のための将来の高度なクリーンエネルギー関連の雇用に貢献するものでしょう。」
UK Fusion Energy(UKFE) チーフ・コマーシャル・オフィサー ダン・ビショップのコメント:
「UKFEは本協業を歓迎するとともに、当機関のMagnet Systems Partnerであるトカマクエナジーと古河電工の緊密な連携を高く評価しています。本取り組みは、英国における将来的なHTS能力に向けた道筋の探索と、パートナーシップの強化につながるものであり、安全で持続可能かつ安定的で費用対効果の高いエネルギー供給の実現に貢献するものです。」
フュージョンエネルギーでは、超高温の水素燃料(プラズマ)を閉じ込め制御するために強力な磁場が必要となります。これらの磁場は高度な磁石システムによって生成され、その中でHTSテープは重要な役割を果たします。HTS材料は、高電流密度、強磁場の生成、および次世代用途における性能向上を可能にします。
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