下大迫和隆、達川永吾、渡邊春輝、宮本凌竹、横山卓弘、上野彰大、熊谷篤
概要
自動運転は事故防止といった安全・安心な社会をつくるだけでなく,少子高齢化社会における物流業界の人手不足解消など,日本の産業や社会構造を大きく変える技術である。その中核技術の一つであるV2X(Vehicle-to-Everything)通信は,車両とインフラ,ネットワーク,歩行者との情報提供を可能にし,自動運転や交通安全の高度化に寄与する重要な技術である。日本では総務省の「周波数再編アクションプラン」に基づき,5.9GHz帯のV2X向け割り当てが進められており,国際標準との整合性確保も重要となっている。古河電工グループは,光通信技術と高周波技術を組み合わせた次世代モビリティ通信基盤の開発を推進し,高速道路での実証試験を通じて知見を蓄積している。更に,先進的な取り組みとして,IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)との連携可能性を検討している。IOWNは超低遅延・大容量・低消費電力を特長とし,AI処理やエネルギー利用の効率化を可能にするため,V2X通信との統合によるリアルタイム交通制御や高度な自動運転支援の実現が期待される。本稿では,V2X通信の概要,制度動向,当社の取り組みと今後の展望を示す。
古河電工時報に関するお問い合わせ